「福田−安保理論」をベースにした、自律神経と免疫に関する話を集めてみました

リンパの働き

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リンパの働き

リンパとは何か

脊椎動物には、体全体に網の目のように張り巡らされているネットワークような「リンパ管」があります。そのリンパ管の中を流れているのが「リンパ液」です。リンパ液というのは、リンパ管に流れ込んだ組織液のことで、血液中の血漿に由来する無色透明の液体です。ただし、血漿と比べてたんぱく質の量が少なくなっています。また、白血球の一種であるリンパ球が含まれています。

リンパ節(リンパ腺)とは、リンパ管の中継点のようなところです。約800箇所もあるといわれます。
主なリンパ節は、以下のとおりです。

・後頭リンパ節:後頭部の皮下にあるリンパ節。後頭部、頸部のリンパの集合場所。
・耳介後リンパ節:胸鎖乳突筋上部表面にあるリンパ節。耳介後面、頭頂部のリンパの集合場所。
・耳下腺リンパ節:耳下腺の実質中もしくは被膜上にあるリンパ節。頭頂前部、耳介、外耳道、鼓膜、耳下腺のリンパの集合場所。
・顎下リンパ節:顎下腺付近にあるリンパ節。顔面部、口腔のリンパの集合場所。
・オトガイリンパ節:オトガイ下にあるリンパ節。舌尖、下唇、オトガイなどのリンパの集合場所。
・ウィルヒョウのリンパ節:左鎖骨上部にあるリンパ節。
・鎖骨下リンパ節:鎖骨の下の部分にあるリンパ節。
・腋窩リンパ節:腋窩にある20~30個のリンパ節群を指す。
・気管支肺リンパ節:肺内のリンパの総称。
・腸リンパ本幹:腹腔内のリンパの集合場所。
・鼠蹊部リンパ節:下肢の付け根の前面(鼠蹊部)に集まる数十個のリンパ節。

リンパ液、リンパ管、リンパ節の3つをリンパといい、リンパ系ともいいます。

リンパ液は、血液のように心臓のポンプの働きで体内を流れるわけではなく、呼吸運動や骨格筋の収縮と弛緩によって流れます。安静時には流れが遅く、運動時には筋肉が収縮と弛緩を繰り返すので早く流れます。リンパ液は、血液の2倍以上の量がありますが、血液と比べると、非常にゆっくりと流れています。

血管は、末梢も開放系ではないので、輪のようにつながって血液が流れています。一方、リンパ管は末梢が開放系なので、開放された毛細リンパ管へリンパ液が流れ込んでいます。リンパ液は、末梢の毛細リンパ管から、鎖骨の下にある鎖骨下静脈へと流れていきます。

右の上半身のリンパ液は、右リンパ本幹に集められます。左の上半身のリンパ液と、左右の下半身のリンパ液は、胸管という名前の太いリンパ管に集められます。右リンパ本幹と胸管は、鎖骨下静脈に合流します。

リンパ管が静脈と合流した時点で、リンパ液も静脈血と一体になります。

リンパ液の流れは血液のような循環系ではなく、末梢の毛細リンパ管から始まり、最終ゴールは鎖骨下静脈になるという流れです。ほとんどのリンパ管には、同じ方向に流れるように、静脈にみられるような弁が備わっています。

リンパの3つの役割

リンパの働きは、大きく分けると3つの役割があります。「余分な液体の回収」と「排泄機能」と「免疫機能」です。

血液の成分の一部は、毛細血管から組織液の中にしみ出し、戻りません。組織液の中にしみ出した余分な液体は、リンパ管を通して集められ、最後は鎖骨下静脈に流れ込んで、血液の中に回収されます。

リンパには、老廃物を回収する働きがあります。通常、老廃物は毛細血管を通じて静脈に取り込まれ、心臓まで戻ります。しかし、老廃物が静脈では回収しきれないときはリンパ管に流れ込み、リンパ液となります。また、リンパは、脂肪の運搬にもかかわっています。リンパ管は組織液に混ざっている傷ついた細胞、がん細胞、細菌やウイルスなどの異物も集めて運搬します。

リンパは、老廃物を運ぶ「下水道」のような役割を果たしているわけです。

リンパには、感染に対する防衛機能、いわゆる「免疫機能」があります。リンパ節は細菌やウイルスなどを退治し、健康な体を維持するために老廃物や細菌などを濾し取って、全身に回らないようにするフィルターのような機能があります。リンパ節は、生体内に侵入した細菌や有害物質を血液循環中に入れないための関所の役目をしているのです。

リンパ液には、末梢ではリンパ球が少ないのですが、リンパ節を通るたびにリンパ球が増えていきます。リンパ球には細菌やウイルスの性質を記憶する働きがあるので、同じ病原菌が再び侵入しようとすると、生体防御のための抗体を産出する能力があります。リンパ球には寿命があるのですが、この記憶の働きは、新しくつくられるリンパ球に引き継がれます。傷ついた細胞を体から排除し、感染症やがんが広がるのを防ぐという重要な機能も果たしています。

カゼをひいたときに、リンパ節が腫れるのは、免疫機能が、ウイルスなどと闘っているからです。カゼをひくとリンパ節が腫れる場所にはいくつかあります。はっきりと自覚できる場所は首すじです。首には皮下にリンパ節が多く集まっているので、腫れが出やすい場所ですが、カゼが治ると時間とともに腫れがひいていきます。

次に出やすいのは足です。足に疲労が蓄積すると、リンパ節の腫れを起こすことがよくあります。

このようにリンパ節が腫れるのは、免疫力が低下しているサインです。運動、ストレッチ、マッサージなどを行い、また生活習慣を根本的に改めるようにしましょう。

足に限らず、「むくみ」は組織液が停滞している状態です。リンパ液がたまっている、つまり老廃物(毒素)がたまっているということです。足を動かすことでリンパ液を還流させて、むくみを解消しましょう。

リンパ節は免疫器官

リンパ節は、哺乳類の免疫器官のひとつです。リンパ節は、リンパ管の途中にある「ろ過装置」で、リンパ液の中を流れている細菌や異物を食作用によって処理し、抗体生産も行います。いわゆる「関所」のような働きをします。

通常、リンパ節は皮膚の上からさわってもわかりません。ところが、細菌やウイルスがリンパ液の中に入り込んでくると、細菌やウイルスはリンパ節の中でせき止められます。

やがて、それらの正体を見きわめたり、退治しようとして白血球やリンパ球が集まってきて、戦いを挑みます。多くの場合は、白血球の方が勝利をおさめますが、その戦いの結果としてリンパ節が腫れてくるのです。



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