「福田−安保理論」をベースにした、自律神経と免疫に関する話を集めてみました

リバウンドはなぜ起きるのか

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リバウンドはなぜ起きるのか

薬は免疫の正常な働きを止めるだけ

アトピー性皮膚炎を例に、リバウンドを考えてみましょう。

アトピー性皮膚炎は、体内で分解できない化学物質、たとえば農薬や食品添加物、薬などの化学物質を皮膚から排出しようとする際に起こる、皮膚の炎症やかゆみが症状として現われます。

体内で分解できない化学物質の多くは、分子量が小さいために、それ自体が抗原(アレルゲン)と認識されるわけではありません。分子量の大きいたんぱくと結びつき、はじめて抗原と認識され、免疫機能が働くわけです。

細菌やウイルスのような敵には、ヘルパーT細胞の指令を受けたB細胞がIgG抗体をつくって、細菌やウイルスを殺します。ところが、たんぱくと結びついた化学物質は、細菌やウイルスのように増殖しません。そのため、ヘルパーT細胞の指令を受けたB細胞がIgE抗体をつくって、皮膚から排泄しようとします。

IgE抗体は、ヒスタミンを作り出す肥満細胞と結合するレセプター(受容体)を持っています。ヒスタミンは、かゆみを起こす物質です。IgE抗体は、組織に大量にある肥満細胞と結びつきます。すると、かゆみを起こすヒスタミンが肥満細胞から放出されるのです。

ここでステロイドを使うと、免疫を抑制することによって、IgE抗体がつくられなくなります。その結果、化学物質を皮膚から排出する働きが止まり、肌はきれいになって、ヒスタミンによるかゆみもすぐにおさまります。皮膚の炎症とかゆみという症状は、ぴたりとおさまるのです。

ステロイドによって、表面の症状はおさえられていますが、本来排出すべき体内の化学物質は蓄積したままで、さらに増えていく状態になります。

症状がおさまるからといって、ステロイドを使い続けると、本来正常な皮膚の細胞が変性し、ステロイド皮膚炎となっていきます。肌が薄くなってきたり、黒くなってきたりするのです。

体内で分解できないステロイドは、酸化コレステロールとなります。この酸化コレステロールの反応によってつくり出された炎症性サイトカイン(ホルモンの一種)が、ストレスによって大量に放出されるようなります。これが激しい炎症を引き起こすのです。

元々のアトピー性皮膚炎とは異なり、ステロイドを塗った場所に特異的にすきまのない炎症が現れます。また、全身反応なので、ステロイドを塗らない場所にさえも炎症が広がります。炎症はステロイドが切れたときに現れますが、かゆくてかいたことによるものではなく、ステロイドが切れたために一瞬にして炎症が引き起こされるのです。

薬をやめると免疫が正常に働き始める

ステロイドをやめると、抑制されていた免疫が再び正常に働き、体内に蓄積された酸化コレステロールや化学物質を排出し始めます。再び、肌の炎症やかゆみが起こるわけです。

この際に、ステロイドによって一時的に遺伝子異常を起こした皮膚の細胞がはがれて崩壊します。「免疫の働きが正常化し、皮膚の炎症やかゆみが再び起こり、正常な肌を取り戻すために、ステロイドによって一時的に遺伝子異常を起こした皮膚が崩壊してはがれ落ちる。加えて、膿とともに酸化コレステロールが体外に排出されていく」というのがリバウンドです。

アトピー性皮膚炎は、体内に蓄積した化学物質を皮膚から排泄するという、免疫の正常な働きによって起こるものです。この段階のうちに、薬を使うのを我慢して、化学物質の排出を進めるとともに、体内に入ってくる化学物質を減らす生活を心がけましょう。

ステロイドは、免疫を抑制することによって、一時的に皮膚の炎症やかゆみという症状をおさえているだけです。ステロイドは、アトピー性皮膚炎を完治させる薬ではありません。

ステロイドを長期間使うと、体内で酸化コレステロールに変わり、交感神経優位の体質に変わり、全身の冷えが生じてきます。交感神経優位で起こる他の病気まで引き起こすことになります。また、ステロイドをやめると、つらいリバウンドが必ず生じます。

免疫は間違ったことはしない

リウマチも、アトピー性皮膚炎と同じです。
リウマチは、関節の滑膜細胞の結合組織(膠原線維)にたまった、たんぱくと結びついた化学物質を攻撃するという、正常な免疫の働きによって起こります。

アトピー性皮膚炎と違うのは、ヘルパーT細胞の指令を受けたB細胞が、本来はIgE抗体をつくって体内の化学物質を排出すべきなのに、IgG抗体をつくってしまい、関節内のたんぱくと結びついた化学物質を攻撃することです。

ただし、免疫が、間違って働いているわけではありません。細菌やウイルスの増殖を防ぐのが、免疫の緊急の役割です。まずIgG抗体をつくって、細菌やウイルスの侵入を防ぐ必要があります。細菌やウイルスとの戦いに敗北すると、死に至る場合もあります。たんぱくと結びついた化学物質が、細菌やウイルスのように増殖することがないとわかって、はじめてIgE抗体をつくるようになります。

この免疫反応が関節内で起こるため、関節に痛みや腫れが生じます。西洋医学では、リウマチを自己免疫疾患ととらえ、免疫を抑制する薬を処方します。免疫を抑制する薬によって、痛みや腫れはおさまってきます。

しかし、抗リウマチ薬やステロイドは、免疫をおさえて症状を止めているだけです。薬をやめれば、免疫の働きが正常化し、関節内での免疫反応が再び始まります。
 
免疫を抑制する薬を使わずに、免疫を高める治療をしていけば、やがてヘルパーT細胞の指令を受けたB細胞がつくる抗体が、IgG抗体からIgE抗体に変わっていきます。この現象を、抗体のクラススイッチといいます。抗体にはIgM、IgG、IgA、IgE、IgDの5種類があります。

免疫を高めるリウマチの治療を続けているうちに、抗体のクラススイッチが起こってIgE抗体がつくられ、関節の痛みや腫れがひいてきて、かゆみに変わってきます。リウマチから、アトピー性皮膚炎に変わってくるわけです。

ただし、クラススイッチが起こるためには、サプレッサーT細胞が、B細胞に対してIgG抗体の産生を止める指令を出すことが必要になります。抗リウマチ薬やステロイドなどの免疫を抑制する薬を使っていると、サプレッサーT細胞の働きも低下するので、いつまでたってもB細胞に対してIgG抗体の産生の中止指令を出せません。そのため、IgG抗体による免疫反応が関節内で起こり続けるのです。

サプレッサーT細胞によるIgG抗体の産生中止の指令をB細胞が受け取り、さらにクラススイッチが起こると、B細胞がIgE抗体の産生を行います。

こうして、アトピー性皮膚炎となって皮膚から化学物質を排出していくと、完治に向かっていきます。時間はかかりますが、生体の修復能力によって、変形した関節でさえも、徐々に正常化していきます。

リウマチを自己免疫疾患ととらえて、免疫を抑制する治療を続ける限り、完治は望めません。それどころか、悪化させていくだけです。

免疫は常に、間違ったことはしません。アトピー性皮膚炎やリウマチに限らず、免疫を高めることのみが、唯一治癒に結びつくのです。


※この項目は、大阪府高槻市の「松本医院」の松本仁幸先生の説を参考にさせていただきました。



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