「福田−安保理論」をベースにした、自律神経と免疫に関する話を集めてみました

ガン細胞とエネルギー系

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ガン細胞とエネルギー系

ガンは「先祖還り」の細胞

安保徹先生(新潟大学名誉教授)によると、ガン細胞は、体内環境の悪化に適応した「先祖還り」の細胞ということです。もともと、嫌気性(酸素が嫌い)の生物と、好気性(酸素が好き)のミトコンドリアが合体し、進化してきたのが人間だそうです。

正常細胞は、主としてミトコンドリア系からエネルギー(ATP)を得ています。「酸素が十分にある」「体温が高い」「利用するブドウ糖や乳酸、ピルビン酸、脂肪、たんぱく質がある」状態では、ミトコンドリア系が働きます。

ガン細胞は、嫌気性(酸素を嫌う)の細胞です。しかし、ガン細胞にもエネルギーが必要です。では、ガン細胞は、どのようにしてATPを得ているのでしょうか。

ガン細胞は、主に解糖系によってエネルギーを得ています。解糖系の特徴は、酸素を必要としない状況で、ブドウ糖(炭水化物)だけをエネルギー源として、ミトコンドリア系より効率が悪い(18分の1)かわりに、瞬時にエネルギーを得ることができます。

解糖系が働く特徴は、「低体温」「低酸素」「高血糖」です。このような体内環境では、ミトコンドリア系の働きが悪くなり、解糖系の働きが高まってきます。安保先生のいう「先祖還り」の状態です。

ガン細胞の増殖はミトコンドリアを賦活をすると抑制できる

しかし、ガン細胞は、酸素がある状態でも、ミトコンドリア系よりも解糖系によってATPを産生することがあります。この現象を「ワールブルグ効果」といいます。ノーベル賞を受賞したドイツのオットー・ワールブルグ(オットー・ウォーバーグとも呼ばれます)が、1926年に発表しています。

なぜ、ガン細胞は、ミトコンドリア系よりも効率の悪い解糖系をなぜ選択するのでしょうか。

ミトコンドリア系では酸素を使うため、活性酸素が発生します。わずかな量ですが、活性酸素によって、細胞が傷ついていきます。また、ミトコンドリアはアポトーシス(細胞死)にも大きくかかわっています。ミトコンドリアの働きを抑えることで、アポトーシスが起こらなくなります。

ガン細胞は、活性酸素が発生しないエネルギー産生の系統を選び、またアポトーシスをしないようにしていると考えられます。細胞内のミトコンドリアの機能を抑制することで、生き残りを果たしているといえます。

では、ガン細胞は不死身かというと、そうではありません。ミトコンドリアを賦活することで、ガン細胞のアポトーシスを誘導することもできます。「低体温」「低酸素」「高血糖」のいずれか、あるいは複数から脱却することです。

温熱療法(体に負荷を与え過ぎない療法)、ビタミン・ミネラルの摂取(とくにビタミンB1)、小食(断食や食事制限。ただし、やせている人は医師と相談のうえで実行してください)や糖質制限(短期で考えてください。長期にわたると弊害が出るという報告もあります)などがあります。

食事療法、呼吸、温熱療法などで、ガンの進行が止まったり、縮小したという例はいくらでもあります。これらの療法によって、ミトコンドリアが賦活し、ガン細胞のアポトーシスを促し、免疫細胞(リンパ球など)を働かせることができます。



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